本 カール・ハート著、寺町朋子訳 『ドラッグと分断社会アメリカ 神経科学者が語る「依存」の構造』





Amazon.co.jpカール・ハート著、寺町朋子訳 『ドラッグと分断社会アメリカ 神経科学者が語る「依存」の構造』


薬物依存に陥るのは使用者の10-20パーセントだそう。
貧困地域で育った黒人の著者が神経科学者になるまでの
半生とともに薬物が人体にもたらす影響の真実を説く。

薬物政策の効果、貧困、制度的な人種差別、そのほか多くの目立ちにくい
事情を薬物のせいにしている。

本来なら貧困や人種差別が原因の政策の失敗を薬物汚染に
すり替えられている。

薬物が人体に与える影響について科学的根拠に基づくのではなく
扇動的な報道で行き過ぎた恐怖だけが植え付けられる。

社会的に孤立するから薬物に手を出すのであり
厳罰化して社会との接点をなくすとますます薬物依存が進む。
投獄されることによって社会復帰しづらくなり、また刑務所で
悪い仲間とつるむことによって出所してからまた犯罪に手を染めることになる。
特に若い黒人男性はこの傾向が強い。

助成金を申請するにはその機関のモットーに即した研究にならざるを得ず、
結果、薬物の否定的な作用を強調しなくてはならない。
アメリカ人も忖度する。

有効的な政策と思われるのは薬物合法化ではなく薬物非犯罪化である。
個人で楽しむ分には刑事罰としない。
間違った政策で発生する人的損失は計り知れない。


305頁
人が依存症になる原因はヘロインやコカインではない。原因は、過酷な現実から
逃避しなくてはならないことにある。           ―シャーリー・チザム(政治家)


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[ 2017/10/18 23:06 ] 本・マンガ | TB(0) | CM(0)

本 ロベルト・サヴィアーノ著、関口英子、中島知子訳 『コカイン ゼロゼロゼロ: 世界を支配する凶悪な欲望』




Amazon.co.jp ロベルト・サヴィアーノ著、関口英子、中島知子訳 『コカイン ゼロゼロゼロ: 世界を支配する凶悪な欲望』


麻薬資本主義が世界を席巻する。

麻薬カルテルは豊富な資金力で輸送網の拡充や人員配置といった
インフラを整備し、警察や軍、政治家や司法関係者を抱き込む。

ブラックマネーを名立たる銀行が喜んで資金洗浄する。
カルテルの大物を逮捕しても、情報提供と引き換えに
司法取引によって減刑され、逃亡される。
法の秩序の向う側にいるのでやりたい放題。


悪党といえど、組織のボスになるような人物は
切れ者なんだよな。

[ 2017/10/14 22:28 ] 本・マンガ | TB(0) | CM(0)

小説 アーサー・ミラー著、上岡伸雄訳 『存在感のある人 アーサー・ミラー短篇小説集』




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[ 2017/10/06 23:32 ] 本・マンガ | TB(0) | CM(0)

小説 宮部みゆき 『希望荘』




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杉村三郎シリーズ第四作。
「聖域」と「希望荘」が短編、「砂男」と「二重身」が中編。

少しだけ幸せになりたいだけの人が愚かさ故に罪を犯すという
動機が宮部みゆきらしい「聖域」と「二重身」、
人生に悔いを残したままの老人が若者を救おうとする「希望荘」、
真相に辿り着いたと思ったらひっくり返される「砂男」と
どれも粒ぞろい。

このクオリティで作品を量産できる宮部みゆきは
本当に凄い。
これぐらいの文量がちょうど良い。
この人の長編は長すぎるんだよな。


しかしまあ、杉村三郎という人は資産家と離婚と犯罪を
引き付ける星の下に生まれているな。


[ 2017/10/02 22:58 ] 本・マンガ | TB(0) | CM(0)

本 マックス・ブルックス著 『ゾンビサバイバルガイド』




Amazon.co.jp マックス・ブルックス著 『ゾンビサバイバルガイド』


来るべきゾンビ襲来に備えて読む。

頭部を破壊すること、相手は数が多いのでまず逃げること、
弾切れになる銃器よりは打撃武器を選ぶのが肝要。
チェーンソーなんか燃料が切れたらただの荷物になる。

大型船や油田採掘所といった海上に逃げろという指摘は面白い。
ゾンビは海を渡れないし、島は人が押し寄せるから。
設備が整っているのなら好機が訪れるまで海上を
漂うというのも良いかもしれない。


こういうのを読むとバールやダクトテープが欲しくなる。
ゾンビ以上に人間同士の争いの方が厄介というのは
皆が思うことらしい。


[ 2017/09/27 23:00 ] 本・マンガ | TB(0) | CM(0)