小説 葉真中 顕 『ロスト・ケア』




介護が必要な老人を40人以上殺害した犯人の意図とは。


<ここからネタバレ!>

<彼>の正体は斯波宗典。
ケアセンターの所長、団啓司は利用者の合鍵を作り、窃盗をしていただけ。

斯波が「ロスト・ケア」を始めたのは、介護していた自分の父親を
ニコチン毒で殺害したが、警察が自然死としたため犯行は発覚しなかった。

これを受け、斯波は「ロスト・ケア」を天から与えられた使命だと考え、
次々と殺人を繰り返して行った。

斯波の最終的な目的は、この「ロスト・ケア」が世間に広く知られ、
人々の意識を変えることにあった。


<ここまで!>



介護は受ける人も行う人にも苦しみをもたらす。
富める者はお金で解決できるが、そうでない者には
死でしか解放できない。

超高齢化社会と少子化でこうなることはすでに判っていたのに、
皆が見て見ぬ振りをして先延ばしにしてしまった。

大量殺人をした者を死刑にするのが世の為だというのが
犯人の論理を強化してしまう構造なのが胸に突き刺さる。


個人的には統計で犯行を見つけ出すのは新鮮だったが、
これも犯人が全ての罪を認めることを前提にしていなければ
成立しないだろう。

処女作らしく、書きたいことを沢山詰め込んだり
勉強したことをついつい書き連ねてしまったりと
鼻息の荒さが目立つが、重いテーマをミステリで
上手く消化していたように思う。


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[ 2013/04/30 22:10 ] 本・マンガ | TB(0) | CM(0)

今日の自転車


天気は曇り時々晴れ。行きは強い向かい風。

日差しは弱いが湿度が高く蒸し暑い。
今年は例年よりも気温が高いような気がする。
ペットボトルの水も500ミリリットルでは心もとなくなってきた。

休日ということもあって自転車に乗っている人も多かった。
学生さんはクラブ活動でもあるのか、意外と多かった。


レッグカバーを買うべきかアームカバーを買うべきか、
ハイネックのインナーを買うべきか、それが問題だ。


[ 2013/04/29 22:40 ] 自転車 | TB(0) | CM(0)

小説 誉田哲也 『幸せの条件』




「バイオエタノール用の米を作ってもらえるよう、農家を説得してこい」
社長の思いつきで長野に行かされた梢恵。
農作業を手伝うことを通して、自分の生きる道を見つける。

文章も内容も、読み終えると何も残らず。
主人公の行動によるリスクとリターンが釣り合っていないからだろう。
本人が何もしなくても、周りの人達が解決してくれる。リターンが大きすぎる。


二冊読んでもこれだから、この作者とは相性が悪いのだろう。


[ 2013/04/28 23:20 ] 本・マンガ | TB(0) | CM(0)

今日の自転車


天気は晴れ時々曇り。
風の強い一日で、しかも追い風になったかと思えば
横風、向かい風と方向がコロコロと変わる日だった。

強い横風で土手に落とされそうになる。
帰り道は怖いので別の道を通ることにした。


例年、四月の終わり頃は天候が安定しないけれど、
今年は特にひどい。
暑くてTシャツで過ごしたかと思えばストーブを点けたりと、
大自然に振りまわっされぱなしだ。


[ 2013/04/26 23:14 ] 自転車 | TB(0) | CM(0)

漫画 こうの史代 『夕凪の街桜の国』




原爆が投下されてすぐに死んだ人、10年経って死んだ人、
その後も生き続けた人。

助けを求める人達を踏み越えて行った自分に、
幸せになる権利があるのだろうか。


死ぬことが怖いのではない。
拭い去れない不安を植え付けられたこと、希望が見えないことが怖いのだ。


[ 2013/04/25 22:44 ] 本・マンガ | TB(0) | CM(0)

映画 『めまい』



allcinema 『めまい』


依頼人の妻が自殺したことを目撃させるために嵌められた
高所恐怖症の元刑事、というのがミステリ部分だけど、
この映画の怖いのは、元刑事が恋人となった女に自分好みの
服を着させたり、髪を染めさせたりセットしたりを強要するところ。
彼女の中身なんか全然興味が無いの。


エンディングが唐突すぎて、なんだかけむにまかれたようだった。


[ 2013/04/24 23:16 ] 映画・ドラマ | TB(0) | CM(0)

小説 小野不由美 『残穢』




いわゆる幽霊の出る建物の由来について
歴史をさかのぼり調べてゆく。

自殺、嬰児殺し、無理心中と様々な事実が明らかになって行く。
土地や建物に残った「穢れ」が感染し広まっていったような
薄気味悪さがついて回る。


あ、特に原因の究明とかないっす。


[ 2013/04/23 23:23 ] 本・マンガ | TB(0) | CM(0)

今日の自転車


天気は快晴。行きは強い追い風。

今日から夏用のジャージで走る。
走り始めは寒かったが、すぐに暑くなった。

北に向かって更に遠回りしてみる。
信号待ちが長くなったが、自動車の量も少なく
走りは快調だ。


対向車線から右折してくる自動車に気付かれないことが
三回もあった。
真っ赤なヘルメットで目立つと思うのだけど。
死んじゃうんだから、頼むよ。


[ 2013/04/22 22:58 ] 自転車 | TB(0) | CM(0)

本 北原みのり 『毒婦。 木嶋佳苗100日裁判傍聴記』




・媚びているようにみえるが、御しやすい女を演じるふうは一切なく、
 相手には敬意を求める。佳苗は同情ではなく「支援」という「対等感」と
 強引さで、お金を得てきた。

・同情なんてされたくない佳苗。たとえ人生がかかっている裁判であっても、自分を
 帰ることは容易くない。佳苗は佳苗らしく、被告人席に座っているのだ。それは
 “ふてぶてしい”なんて言葉じゃ表現できないほどの、怖いくらいの“佳苗らしさ”だ。

・女は、男のようにブスを笑えない。自分がブスだ、と自虐はしても、他人のブスは笑えない。
 それは天につばするようなものだから。そんな社会で、佳苗は、軽々と“ブス”を超えたように
 見えるのかもしれない。容姿を自虐することなく、卑屈になることもなく、常に堂々と
 振る舞う佳苗。不美人を笑う男たちを嘲笑うように利用したのは、不美人の佳苗だ。
 そこに女は、佳苗の新しさをみる。

・男は純情の名の下にお金を出し、愛を求め、手料理を求め、セックスを求めてくる。
 佳苗のドライさと合理性に、純情で敵うわけがない。

・佳苗を不美人だ、と罵る人は多いが、佳苗は不美人というより、怖い顔、と言ったほうが
 的確な気がする。目力がありすぎるのだ。それなのに、目に光はほとんどない。
 真っ暗な洞(ほら)に見える。だから、佳苗と目が合うと、ひるんでしまう。
 彼女が何を見て、何を考えているかが、瞳からは全く分からないから。

・恐らく佳苗は「田舎者」と言われることが嫌いだ。田舎を一番憎むのが、佳苗自身だからだ。

・もちろん、全て、嘘ではある。が、「もしかしたら、そうであったかもしれないもう一つの
 私の人生」は、佳苗にとって、諦められないものだったのかもしれない。佳苗はずーっと、
 ずーっと、現実の自分ともしかしたらあったかもしれない別の人生の間で、引き裂かれていた
 のかもしれない。

・一つハッキリ言えるのは、佳苗の周りの男性が亡くなり始めたのは、父親が亡くなった後からだ。
 佳苗にとって父はどんな存在だったのだろう。

・それでも、取材を通して見えてくるのは佳苗が、ある面では非常に凡庸な女であったことだ。
 母との関係に悩み、近代的な父の矛盾に引き裂かれ、欲望を抑えられず、
 ブランドで飾り立てずに いられない虚栄心を抱え、強烈な自己顕示欲をもてあまし、男に苛立つ。
 佳苗が自慢する男性関係だって、その価値は凡庸だ。(中略)

 男からは金を得る。その対価として女は“愛”を与える。そんな風に考える女は、いくらだっている。
 そういう意味で、佳苗は凡庸な毒婦だ。というより、佳苗を、佳苗の愛や男性観故に
 毒婦というのなら、たいていの女は毒婦だろう。

・あ、と思った。もしかしたら佳苗は「女性経験のなさそうな男性」ではなく、小柄で弱そうな
 男たちを選んだのではないか。だいたい婚活サイトで「女性経験のなさそうな男性」なんてのは、
 プロフィールだけじゃ分からない。が、身長と体重は記されている。


誰にも媚びず、どこであっても自分のやり方を貫き、
自分には出来ないことを軽々とやってのける木嶋佳苗が
羨望を集めることは理解できる。
ピカレスクロマンの主人公にも見える。


美醜という表面だけ気を取られていては、何も見えない。
『別海から来た女』よりこちらの方がお勧め。

[ 2013/04/21 22:56 ] 本・マンガ | TB(0) | CM(0)

映画 『テルマエ・ロマエ』




allcinema 『テルマエ・ロマエ』


地上波放送で鑑賞。

原作を再現しようとした前半は構成のいびつさが目に付いたが、
オリジナル展開の後半は面白かった。
ルシウスの生真面目さを表現した阿部寛はピッタリの配役だ。


こういう映画は映画館で大勢の人と一緒に見た方が
楽しさも倍増しただろうな。


[ 2013/04/20 23:31 ] 映画・ドラマ | TB(0) | CM(0)

今日の自転車


天気は晴れ。行きは猛烈な追い風。
おかげで帰りは大変だった。

昨日はかなり気温が上がって暑かったが
今日は日差しはあるものの冷たい風が吹く。
来週からは夏用のジャージで走ることにしよう。


ねこがまだ部屋に来る。すぐに出て行っちゃうけど。
例年はもう来なくなる時期だったような気がするが。


[ 2013/04/19 23:06 ] 自転車 | TB(0) | CM(0)

本 佐野眞一 『別海から来た女』




次々と男を騙して金を奪い、殺していった木嶋佳苗。
その生い立ちと裁判を追ったのがこの本なのだけど、
悪魔と呼ばれる木嶋佳苗より、その内容の方が恐ろしい。

木嶋佳苗のことを話す住民や被害者、佐野眞一の
飾らない本音が炸裂しているからだ。

悪魔だ毒婦だと人間性を否定し、あんなブスに騙される
被害者もアホに違いないという印象論と偏見を撒き散らしており、
これを客観的なルポだとは到底言いがたい。
居酒屋で酔っ払ったおっさんの戯言と大して変わらない。


しかし、この本への拒否感は、自分自身を写す鏡だからこそ
生まれるのだろうな。


[ 2013/04/17 22:53 ] 本・マンガ | TB(0) | CM(0)

小説 誉田哲也 『主よ、永遠の休息を』




多分誉田哲也を読むのは初めて。

特に引っかかることなくスルスルと読み、
読後もこれといって心に残るものはなく。
ファンには失礼だけど、だから売れているのだろうなあと
適当な感想を持つ。


出張の新幹線の中で読むのに丁度良いのではないかと。


[ 2013/04/16 22:59 ] 本・マンガ | TB(0) | CM(0)

小説 小池真理子 『沈黙のひと』




パーキンソン病を患い介護施設で亡くなった父親。
死後、遺品を整理したり縁のあった人達に出会い、
父親の別の一面を知ることになる。

他に女を作って出て行ったり、パーキンソン病で
自分の意志を上手く伝えられなかったり、残した和歌で
父の実像を知ったりしながら、自分の人生について考える。
家族というのは、色々あったとしても最後は許してしまえるのだろうか。


年齢的に親の介護問題が現実味を帯びてきて身につまされる。


[ 2013/04/15 23:38 ] 本・マンガ | TB(0) | CM(0)

サンフレッチェ広島 2-0 サガン鳥栖

football20140414


今シーズン初観戦。
2-0でサガン鳥栖を下し、ホーム初勝利を飾った。

昨シーズンはアバクロを着て行って勝ったので今日もパーカーを着て観戦する。
またも勝利し、我こそは勝利のおっさんなり。

広島はベストメンバーが組めたのが大きい。
山岸とミキッチの両翼は完全にサイドを制圧。
高萩洋次郎はワンタッチと敵をあざ笑うようなパスで相手を翻弄。
水本は一対一で競り勝ち鋭い読みでパスカットと完璧。
内容と結果が伴った完勝であった。

エース佐藤寿人が二得点。両方ともサイドを崩しての得点だった。
鳥栖は自陣にこもって守備を固め、攻撃をする意志がないかのようだった。
それなのにサイドを突破されており、堅守のイメージがあったが今日はまるで駄目。
サイドバックが攻撃参加して牽制しないのはどうかと思う。


洋次郎があのシュートをポストに当てなけりゃなー。


[ 2013/04/14 23:19 ] サッカー | TB(0) | CM(0)

さんやのまぜそば冷

ramen162


さんやのまぜそば冷、650円也。

麺は極太の平打ち麺で、出来上がるのに結構時間がかかった。
無化調のお店だからか、味はやや物足りなく感じた。


むしろ卵はない方が良かったかも。


[ 2013/04/14 23:13 ] 食べた物の記録 | TB(0) | CM(0)

映画 『ライジング・ドラゴン』


allcinema 『ライジング・ドラゴン』


流石にワイヤーで吊ったりCGを多用したりは仕方がないか。
ストーリーはグダグダで整合性なんてなかった。


とはいえカンフーアクションは良かった。


[ 2013/04/14 00:04 ] 映画・ドラマ | TB(0) | CM(0)

漫画 押切蓮介 『ハイスコアガール 3』




京都での修学旅行で日高さんと二人きりになってもゲーセンに吸い込まれ、
途中で抜け出しスーパースト2Xの大会に参加したりのゲーム三昧のハルオ。
バーチャファイターに魅せられて、プレステやサターンの発売の頃には
高校受験を迎える。

ついにハルオも、自分の大野さんに対する本当の気持ちに気付く。
甘酸っぱい青春やねえ。


恋に「待ちガイル」なんてねぇ…と思うぜ…?


[ 2013/04/11 22:59 ] 本・マンガ | TB(0) | CM(0)

映画 『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』





allcinema 『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』


訃報を受けて見る。

政治家としての業績を振り返る自伝的映画というよりは
最高権力者の孤独を描くことに重きを置いている。

男だらけの政治の世界で首相にまで上り詰めるために多くの敵を作り、
そのために家族を犠牲にしてきた結果、晩年は割と寂しい人生になってしまったようだ。

サッチャーの行った経済の立て直しで英国は不況から脱することが出来たが、
民営化と労働組合の解体など格差の拡大を招いたという負の側面もある。

ケン・ローチなんかはサッチャーの死に対して
「葬儀は民営化して、入札で決めた方が彼女の望み通りだろう」なんて嫌味を言っている。

ただ、後世から見ると間違っていた政策も、当時は
そうするしか道はなかったということも多いのが歴史というもの。
とはいえ人頭税はやりすぎだわな。

食料品店の娘に生まれ、家業を手伝いながらオックスフォード大学に合格し、
男だらけの政治の世界で成り上がっていく。
こういうタイプにありがちなんだけど、苦労して成り上がった人は
他人にも苦労を強制することが多く、どうにも橋下市長を思い起こさせる。


しかしまあ、IRAのテロに不況と、昔も今も変わってないな。


[ 2013/04/10 22:46 ] 映画・ドラマ | TB(0) | CM(0)

本 平松 洋子,谷口 ジロー 『サンドウィッチは銀座で』




題名からすかしたグルメ紀行本かと思いきや、さにあらず。
美味しいものを求めて東奔西走、その姿は餌の用意をしている
飼い主の周りを「はやく!はやく!」とぐるぐる走り回る
わんこのよう。


美味しいものに囲まれた食いしん坊のしあわせが満載。


[ 2013/04/09 22:43 ] 本・マンガ | TB(0) | CM(0)

今日の自転車


天気は晴れ。行きは向い風。

前日は全国的に雨と強風に襲われる。
今日もその影響が残っている。

各地で入学式が行われたようで、新入生と親をたくさん見る。
かつては大人に見えた高校生や大学生が子供に見えるようになり、
自分が着々とおっさんになっていると実感する。


冬用のジャージも今週までかな。


[ 2013/04/08 22:55 ] 自転車 | TB(0) | CM(0)

小説 斉木香津 『凍花』




長女の百合が次女の梨花を殺した。
あんなに真面目で妹思いの優しい百合が。
三女の柚香は事実を受け入れられず戸惑うが、
百合の書いた日記を見つけ、長女の実像を追い続ける。


<ここからネタバレ!>

日記に登場するカスミンの正体は母親。

百合は柚香の目に入らないよう日記の処分を母親に託すが、
父親が裁判の証拠にするため残しておいた。


<ここまで!>



日記を読み進めるにつれ、百合の人間像が立体的に浮き上がる展開。
読み手や読んだ部分によりまるで印象が変わっていくのがスリリング。

真面目で不器用で、他人に弱さをさらけ出せないことが誤解を増してしまう。
無駄にプライドが高くて軋轢を起こす百合の姿は、自分を見ているようでつらい。


 いつだってそう。ゲロンパやチャバネが当たり前のようにやっていることが
私にはできない。どうすればよかったかわかるのは、いつもあとになってからなの。
なぜだか私には、とっさの判断ができる器用さがない。
いつもいいお姉さんでいなくちゃならなかったからかな。真面目で不器用。
しなやかさのまったくない木の棒みたいな、かわいげのない私。
 
 (165頁)


この独白が胸に突き刺さりまくり。


[ 2013/04/07 22:42 ] 本・マンガ | TB(0) | CM(0)

内田樹の研究室 「学校教育の終わり」


内田樹の研究室 「学校教育の終わり」


もちろん文科省の発令する文書には依然として「愛国心」や「滅私奉公」的な言辞が
ちりばめられていた。だが、そこで言われる「愛国心」は実際には単に
「上位者の命令に従うこと」しか求めていなかった。「滅私奉公」してまで何をするかというと、
「グローバルな経済競争に勝ち残ること」つまり「金儲け」なのである。



グローバル資本主義は人、資本、商品、情報が超高速でクロスボーダーに移動することを要求する。
この要求は不可逆的に亢進し続ける。クロスボーダーな運動にとって最大の障害は国境、ローカルな国語、
ローカルな法律、ローカルな商習慣である。
これらすべてをすみやかに排除することをグローバル資本主義は求める。



教育改革をうるさく言い立てる政治家やメディア知識人はいまだに「勉強すれば報償を与え、
しなければ処罰する」という「人参と鞭」戦術で子どもたちの学びを動機づけられると
信じているようだが、それがもう破綻していることにいい加減に気づいたらどうかと思う。



引きこもりや不登校の子どもたちは別に「反社会的」なわけではない。
むしろ「過剰に社会的」なのである。現在の教育イデオロギーをあまりに素直に内面化したために、
学校教育の無意味さに耐えられなくなっているのである。




[ 2013/04/07 22:30 ] ブログ | TB(0) | CM(0)

小説 荻原浩 『噂』




新製品の香水を売るために、企画会社がある噂を流す。
この香水をつければ恋が成就し、そしてつけていないと
レインマンという殺人鬼に殺されてしまう、と。

果たして香水はヒット商品となったが、レインマンによる
連続殺人事件も本当になってしまったのだ。


<ここからネタバレ!>

レインマンの正体は西崎。
足フェチだった西崎は、モニターとして集めた女子高生の中から
好みの足を持つ子を見つけて殺し、足首を切断していた。

事故で色盲になってしまった西崎は天職と思っていた靴のデザイナーを
辞めざるをえなくなり、サキに馬鹿にされ殺してしまったのが
凶行に走るきっかけ。

しかし、杖村沙耶は友人を殺された女子高生の仇討ちとして殺された。
その中には刑事の小暮の娘、菜摘もいた。


<ここまで!>



評判通りのサプライズエンディングだった。
確かに最後の一行であっと言わせるのだけど、辿り着くまでが
長い割には物足りなく感じた。


良く考えたら、一件落着してねえな。


[ 2013/04/05 23:21 ] 本・マンガ | TB(0) | CM(0)

今日の自転車


天気は晴れ。行きは向い風。

最高気温が20度を超える。これは5月上旬ごろの暖かさだそう。
冬用のジャージを着るが、出発してすぐに暑くなった。


道路は散った桜の花びらで埋められていた。
週末の雨でほとんど散ってしまうのだろう。


[ 2013/04/05 22:48 ] 自転車 | TB(0) | CM(0)

本 浜井浩一 『刑務所の風景―社会を見つめる刑務所モノグラフ』




海外も含め、現場を知る実務者の言葉なので実に力強い。


・重罰化に教育機能や特別予防効果があると考えるのは刑法上のお伽話であり、
 裁判官が判決を書く際の気休めに過ぎない。そんなことは、刑務所や少年院での
 実務を経験し、受刑者や非行少年と日々生活を共にすれば、すぐに判ることである。

・全員雇用で失業のないはずの刑務所で仕事が見つからない受刑者は、当然のこととして
 社会でも失業している。つまり増加する受刑者の多くは、事例で紹介した受刑者のように、
 労働力として一般社会で需要がなくなった者たちでもあった。

 これは外国人受刑者も同じで、生活に窮して犯罪を犯した者がほとんど。
 コミュニケーションの問題で労働力にならないのは他の障碍を持つ受刑者と同じ。

・過剰収容下の刑務所に次々と送られてくる受刑者を分類し続けながら、筆者が見た
 刑務所は「治安の最後の砦」ではなく「福祉の最後の砦」となっている姿だった。

・外国人犯罪の脅威を訴え、日本は狙われていると主張する声も聞こえるが、最初から
 犯罪目的で来日するのは少数に過ぎない。(中略)
 一般市民が外国人を必要以上に警戒し排斥するのは、外国人を孤立させ、彼らを犯罪に
 追い込むだけである。

・かなり多くの者が「(措置入院先の精神病院よりも)刑務所の方が縛られないだけまし」と回答する。
 また精神病院での治療も刑務所のそれと大きく変わることはない。
 (現在の精神医療では投薬で症状を抑えるのが精一杯)

・食事は受刑者の最大の楽しみであり、反面もっとも不満が大きくなる部分でもある。
 海外の刑務所での暴動の多くは、職員の不公正さか食事の不満から発生しており、
 食事の質・量は衆情の安定と起立を維持する上で重要である。

・刑務所で職員が暴力団受刑者に携帯電話を使用させたり、外部から禁制物品を入れたりする
 不祥事が起こるが、これらも最初は些細なことから暴力団受刑者に足をすくわれ、
 「今回のことを幹部に言うぞ」などと巧妙に脅されて、抜き差しならなくなって
 ズルズルと要求に屈するケースが多い。

・(自己顕示型の訴願受刑者について)
 実は訴願受刑者にも経理係とは全く逆の方向で同様のメカニズムを見出すことが出来る。
 人は常に誰かに認められたいという承認欲求を持っている。
 誰からも忘れられて相手にされないことほど寂しいことはない。

 受刑者の多くは基本的に社会に居場所を失った人達であり、社会から忘れられた人達である。
 自己顕示欲求の強い受刑者にとって、忘れられることほど苦痛なことはない。

・訴願受刑者を見ていて感じるのは、刑務所を訴え続けることで必死に自分の存在を
 アピールしている姿であり、そこで自己を確認している姿である。

・暴力団受刑者は実に色々な場面で見栄を張る。(中略)
 「些細な所にも見栄を張り、面子を気にしながら生活するのは大変だろう」とある受刑者に聞いたところ
 「それはもう…」と苦労話をしてくれた。

・一般的に、関東の受刑者には面会のため首都圏の刑務所を希望する以外には、北海道の施設を
 希望する者が多い。北海道には梅雨がなくて夏涼しく、冬には暖房が入るからである。

・高齢や病気、障碍を持つ受刑者が増え、作業の労働力とならない受刑者が多くなっている。
 優秀な受刑者ほど仮出所などで抜けていってしまうというジレンマを抱えている。
 刑務所はまさに社会の縮図だ。

・不審者の数を減らしたいのであれば、不審者狩りを強化して排除するのではなく、社会に
 受け皿を増やして不審者を作らない社会を目指すべきだろう。
 自分たちにとって望ましくない人達を刑務所に送り込んでも、結局は再犯を助長させるだけである。

・日本には「罪を憎んで人を憎まず」という諺があり、犯罪に対する刑罰も他の先進国よりも
 比較的軽いとされ、これが治安良好な原因だともされていたが、最近は厳罰傾向が強まり、
 それが治安悪化神話をさらに強めているのが気になるところである。

 何の根拠もなくモラル低下を嘆き、厳罰化を推し進め「罪を憎んで人を憎まず」の古き良き
 日本の伝統を壊して、結局は犯罪増加の原因(厳罰化による再犯の助長)を招いているのは
 何とも皮肉である。

・厳罰化と刑務所の過剰収容に悩むのは日本だけではない。
 むしろ英米を中心とする先進国の方が自体はより深刻である。

・厳罰化による悪影響を研究するために、2006年にストックホルム犯罪学賞という
 いわば犯罪学のノーベル賞が設立された。

・フィンランドの研究者が(中略)所得格差が少なく、社会保障費の割合が高く、
 人や社会に信頼感を持っているほど、刑務所人口が少ないという結論を見出した。


『人を殺すとはどういうことか』に共通して、人が罪を犯すのは社会から受け入れられない
疎外感と自暴自棄が大きな理由に思える。
一度でも道を外れた者に容赦しない日本の空気が人を追い詰めてしまう。

社会において自分の居場所がある、他者から認められることが生きていく上でかなり重要で、
SNSなどによって色々な人に承認を求める一般市民も受刑者と根っ子の部分では一緒だ。


受刑者も刑務官も悩みの種は人間関係であり、
こればっかりはどこに行ってもつきまとうようですよ。


[ 2013/04/03 21:36 ] 本・マンガ | TB(0) | CM(0)

映画 『崖っぷちの男』




allcinema 『崖っぷちの男』


自殺志願者だと思われていたこの男、どこかおかしい。

飛び降り自殺すると見せかけておいて、実は裏で…という映画。
高所で足元がおぼつかないハラハラ感と計画がうまく遂行されるかどうかの
スリルで文字通り手に汗握りながら見ていた。
高所恐怖症ではないはずなんだけどな。


オチが少々弱いのと、あんな簡単に釈放されるのかという
疑問は残るけど、面白さは保証できる。
エド・ハリスとウィリアム・サドラーがすげえおじいちゃんになっていてびっくり。


[ 2013/04/03 21:17 ] 映画・ドラマ | TB(0) | CM(0)

今日の自転車


天気は晴れ。行きも帰りも追い風だった。

冬用のロングタイツはしまいこんだが、肌寒いかと思い
夏用のタイツの舌にCW-Xのロングスパッツを履いて行ったが、
走っている途中に暑くなった。もう履かなくてもいいや。


keshiki55


牛田の桜並木。
広島ホームテレビ辺りから始まる桜並木はあまり人がおらず
花見の穴場スポットかも。ベンチも多いし。


中央公園の河川敷では桜を背景に結婚用の写真を撮っていた。
平和公園は家族連れからお年寄り、会社での花見客でいっぱいだった。


[ 2013/04/01 22:51 ] 自転車 | TB(0) | CM(0)