小説 東野圭吾 『聖女の救済』


聖女の救済 (文春文庫)聖女の救済 (文春文庫)
(2012/04/10)
東野 圭吾

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犯人は北海道にいながら東京にいる人物を毒殺した。
果たしてそのトリックとは。

<ここからネタバレ!>

綾音と真柴の出会いはパーティで偶然とされているが、実際は
真柴が以前交際していた津久井潤子を通じて知り合った。

津久井潤子が自殺した原因は、真柴が自分を捨て
綾音と付き合い始めたから。

綾音は結婚前から自分が妊娠できない体だと知っていた。
だから不妊治療をしようとしなかった。

綾音が真柴を殺害しようと決めたのは、一年経って妊娠しなかったら
離婚すると告げられた時。

事件の一年前、浄水器のフィルターを新品に交換してもらった後、
自分で亜ヒ酸を仕込んだ古いフィルターに戻しておいた。
その後、誰にも浄水器を使わせないよう専業主婦として家にこもり、
ミネラルウォーターを欠かすことはなかった。

事件後、帰宅した綾音は浄水器を使いバケツ一杯の水を
プランターの花にあげた。
浄水器に残った亜ヒ酸を隠滅するために。

自殺する直前、潤子から綾音に亜ヒ酸が送られてきた。
それは「あなたも真柴に捨てられる」というメッセージだった。

湯川が違和感を覚えたのは、浄水器の周りが埃だらけだったこと。
几帳面な性格の綾音が流し台の下を掃除していないのはおかしいと
感じたから。

湯川
「ふつうの人間は、どうやって人を殺すかに腐心し、労力を使う。
だが今回の犯人は逆だ。殺さないことに全精力を傾けた。
こんな犯人はいない。古今東西、どこにもいない。
理論的にありえても、現実的には考えられない。
だから虚数解だといったんだ」

綾音にとっての結婚生活とは、絞首台に立った夫を救済し続ける
毎日だったのだ。

<ここまで!>



トリックと動機を別々の刑事が捜査し、それらがリンクして
真相の解明につながった時の爽快感はさすが手練の作家というところ。
浄水器を使わず、ミネラルウォーターを買いに行っていたら
成立しないが、普通に考えてまあそこまではしないか。


テレビドラマは見ていたはずなのに、トリックをさっぱり
覚えていない自分の記憶力低下に愕然とする。


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[ 2014/10/16 22:49 ] 本・マンガ | TB(0) | CM(0)

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