本 笠原敏彦 『ふしぎなイギリス』




Amazon.co.jp 笠原敏彦 『ふしぎなイギリス』


著者は英米に特派員として務める。

イギリスは階級社会と言われるが、貴族制度はあっても、歴史的に
階級制度は存在しない。あるのは、国民の「階級意識」であり、
過去の慣習から階級的社会を引きずっているのである。

世界のお手本となった二大政党制が価値観の多様性を掬いきれず
時代遅れになり、伝統と古めかしさを象徴する英国王室が
ダイアナ妃の死に冷淡だったことで支持を失ったのをきっかけに
開かれた王室として生まれ変わろうとしたのが対照的で興味深い。

企業のオーナーシップを広く開放して外国の参入を歓迎する。
かつて世界の半分を領土とした移民国家は、優れたものなら
人種、国籍、文化を問わず取り込む。
「ユナイテッド・キングダム(UK)」は自由な気風を屋台骨とし
人々が活躍する場を提供する「大家」だという指摘は鋭い。

そこには生き残るためには何だってやるというしたたかさが見受けられる。

翻って日本らしさとは何だろう。
旧植民地はないが同じ島国、あんパンや明太子パスタを生み出し、
クリスマスの数日後に初詣に行く。
良く言えば他文化に寛容、率直に言えば節操無く何でも取り込んでしまう
我が国との共通点はある。

ただ気風はどうだろう。
イギリスのように「自由」が基盤ではない。
日本は「同調」だろうか。


左派系のガーディアン紙による調査でも、何だかんだ言って
多くの人がサッチャーによる経済政策を評価している人が多いのを見ると、
結局は民を飢えさせない為政者が望ましいのであり、
経済最優先の論理はそれにより生じる様々な問題や科学的知見を
蹴散らしてしまうのだなと思った。


スポンサーサイト
[ 2015/10/19 22:34 ] 本・マンガ | TB(0) | CM(0)

コメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://mukougishi.blog59.fc2.com/tb.php/3146-8fe811ae