漫画 水木しげる 『劇画ヒットラー』




Amazon.co.jp 水木しげる 『劇画ヒットラー』


追悼、水木しげる。

画家の夢破れ浮浪者にまで身を落とすも総統にまで登り詰めたヒトラー。
その姿を水木しげるの乾いたユーモアで描く。

禁錮刑に処されたり演説を禁止されたり、ナチス党を分断されたりと
何度も危機が訪れるもヒトラーは巧みに乗り越えていく。

ナチスが躍進した最大の理由は経済の悪化にある。
ドイツが第一次世界大戦の賠償と世界大恐慌の経済危機に
見舞われるとナチスの支持が増加する。
支持が増加すれば資本家も資金を提供する。
共産党が躍進すると資本家は困るので対抗するためナチスに献金する。

経済が悪化したのはユダヤ人が富を独占しているからと
外部に敵を作り出し煽動する。
こうして民衆からの支持を集めた。

当初は勝ち続けたドイツだが三国同盟の日本がアメリカに
宣戦布告した辺りから雲行きが怪しくなる。
スターリングラード攻防戦でソ連に負けたのを皮切りに
以後は負け続ける。

まだ力が残っている時点で講和を申し出ていれば
ナチスは存続できたかもしれない。
なかなか出来るもんじゃないが、潮時に引き下がることが
出来る者が真の勝者となる。
戦争は負けることも考えて行動しなければ駄目だな。

ヒトラーは失敗した部下を更迭し続け自分で多くの役職を兼任するが、
心労が祟り倒れる。
以後は健康問題に悩まされる。

他国との講和にしても部下の登用にしても、ヒトラーにとって失敗の
一番の原因は他人を信用できなかったことに尽きるようだ。


漫画の最後、陰影の強い絵で描かれた廃墟の町が印象的。


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[ 2015/12/11 23:16 ] 本・マンガ | TB(0) | CM(0)

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