本 『メモリアル病院の5日間 生か死か―ハリケーンで破壊された病院に隠された真実』




Amazon.co.jp 『メモリアル病院の5日間 生か死か―ハリケーンで破壊された病院に隠された真実』


2005年8月末、ハリケーン・カトリーナに襲われた
ルイジアナ州ニューオリンズは甚大な被害をもたらされた。

メモリアル病院では救援が来るまで患者を見捨てなかった
医療従事者が賞賛を浴びたが、後の調査で死者の数が
不自然に多いことが明らかになる。

医師や看護師は生きる見込みのない患者を安楽死させていたのだ。

自分の意志ではなく他人によって生きるか死ぬかが選ばれる。
人の命に序列が作られる。
功利主義の観点では生きる望みのある患者の治療を
優先させるべきであるが、苦しむ患者を前にして
あなたを助けません、なんて言えるだろうか。

多分、読み終えた人は皆、もっとやりようがあったんじゃないかと
感じるんじゃないだろうか。

以前にも洪水の被害があったのに、電源の確保を
財政上の理由から拒否したため電源喪失し医療機器が動かせなかったり、
緊急時の患者をどうやって搬送するかの計画が曖昧だったり、
街で略奪が横行しているというデマが流れたため救助が拒否されるなど
東日本大震災や福島原発事故を思い出させる事例が多い。

時代と世の東西を問わず、人は実際に体験しないと災害対策の
重要性を理解できないし、災害後は糾弾される責任の重さにおののき
誰も責任を取ろうとしないという、あんまりな事実を突き付けられる。


ヘリによる救助を要請する際、夫が指令センターにいたから
優先されたというエピソードがあり、ルールよりもコネの方が
有効であるというのは実にアメリカらしいと思った。


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[ 2016/05/26 22:40 ] 本・マンガ | TB(0) | CM(0)

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