小説 奥田英朗 『我が家のヒミツ』




Amazon.co.jp 奥田英朗 『我が家のヒミツ』


六の短編集。

特に良かったのが「正雄の秋」と「手紙に乗せて」の二編。
前者は出世競争に敗れた主人公が自暴自棄になるが、
嫌っていたライバルを片方からしか見ていなかったことに気付く。

後者は妻を失い憔悴し切る父を心配する息子が悲しみに共感するとは
どういうことかに気付く。

両方とも体験によりこれまでと世界が違って見えることを描く。
年令を重ねると身のまわりのことが他人事ではなくなっていくのだけど、
裏返せば経験しないと他者には真に寄り添えないのかもしれない。


117頁
「しょうがないよ。経験がないんだから、無理な注文なんじゃないの。
 若いって、他人事が多いってことだと思う」


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[ 2016/10/30 23:13 ] 本・マンガ | TB(0) | CM(0)

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