小説 畑野智美 『みんなの秘密』




Amazon.co.jp 畑野智美 『みんなの秘密』



読んでいてヒリヒリする。

中学校のスクールカーストがテーマなのだが、主人公が実は一番性悪。
こういうテーマだと主人公は傍観者として事件に翻弄されたり
問題解決に奔走しがちだが、今作では学校生活をサヴァイヴするため
自分から策を弄するのが面白い。

クラスメイトのファッションや住む地域、親の収入で品定めしランク付けする。
友情というよりは利害関係、付き合うことで自分にどんなメリットが有るかで
相手を選ぶ。

残酷な出来事もすぐに風化されクラスの均衡が保たれるのがリアル。
乾いた筆致と突き放した視点が効果的だった。


206頁

しかし、教室の中では、何もやっていないことが悪になるのだ。
目立っている人に従い、自分の立場以上に注目されないようにする。
クラスのバランスを崩しては行けない。自分の役割を考え、それにふさわしい
振る舞いをする。やりたいことも、やりたくないことも、周りを見てから決める。
みんなの感情が作りだす空気を読み取らなくてはいけない。そうするように
誰かに言われたわけではないが、全員がわかっている。

高井君は、村瀬君が羨ましかったのかもしれない。
(中略)居場所を求めて強がっていたのだろう。村瀬君みたいに一人で
いることはできない。

それは高井君だけじゃなくて、クラス全員がかんじていることだ。
教室の中で、自分でいることは許されない。


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[ 2016/11/05 23:11 ] 本・マンガ | TB(0) | CM(0)

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