本 湊 かなえ 『告白』
ここまで後味の悪い小説を読んだのも久しぶりだ。
娘を生徒に殺された教師の復讐をお話の幹にして、
数人の登場人物の心情吐露がリレー形式でつづられていくのだが、
その告白がまあ読んでいるとしんどい。
告白は各々のエゴと自己弁護ばかり。
じゃあ登場人物が特異な人たちばかりかというとそんなことはなく、
こういう人もいるよなあ、とか、少し道を外しただけなんだけどなあ、と
思わせる人たちだ。
だからこそ、彼らの告白は、読者の持つ醜い姿を
無理矢理見せ付けられる鏡のようなものであり、
それだけに生々しすぎて嫌悪してしまう。
そんな嫌な小説なのに、ページをめくる手を止めることが出来ない。
新人なのに凄い技量だ。
テーマ性とミステリとしての娯楽性も持ち合わせているのは
お見事と言うほかない。
人間にとって、生きるための希望とは何なのだろう。
ウェルテルは織田裕二に演じて欲しい。
コメント
コメントの投稿



